今日の毎日新聞朝刊の一面に、学力テスト(PISA)の世界順位が出ていて、そのうちの読解力において日本人の青少年は世界で15位にまで落ち込んだと書かれていた。
最近とみに言われてきたことがこれではっきりしたということか?
スマホでゲームばかりして、LINEで短文でしか書かない。
我々には意味不明の略語の横行…
「了解しました」が「了解」になって、ついに「り」一文字になったそうだ。
これはモールスの「R」一文字が「Roger(了解)」であることと同じで、まあ、短くすることは理解できなくもない。
電信もLINEも伝える手段だから、わかりゃいいってもんだけど。
さっさと打たなければならない要請は、LINEも電信(CW)も同じだから。
かつての電報などは「うな」(至急)など、おかしな略号があり、それは「一文字いくら」っていうお値段の関係もあって、略さねばならないのでした。

話がそれたが、読解力である。
これはね、私もね、偉そうに言えないわけですよ。
科学者は論文を書くわけだけど、その書き方が、昔からまずかった。
アブストラクト(緒言)は「要約」でもあるから、論文の頭(かしら)に必ず書かねばならない。
本文が未完でも、とりあえずアブストだけでも雑誌に出して先鞭をつけることができます。
だからアブストは大事なんです。
特許出願でも「要約」を書かされます。
これがないと「不備」として特許庁は受理しません。
自分の発明を400文字程度で簡潔明瞭にまとめなければなりません。
もちろん内容のよしあしで特許庁長官(実際は審査官)で「受理しません」とは言いません。
だから、はずかしい「要約」でも形式がともなっていたら公開されることになる。
恥をかくのは自分です。

読解力はこういった「まとめる力」に問われます。
本を読む、新聞を読む、他人の文章を読むことで読解力は培われると言われます。
まさにその通りだと思うのですが、昨今の活字離れの風潮ではどうでしょうか?
それに、アニメでみなさん感動しておられるが、実際のところ、ちゃんと話が分かってんのかしらね?
あやしいもんだわね。

日本語が乱れ、一部のコミュニティでしが通じなくなると、偏狭な考えを持つことになります。
思想もおかしくなる。
文化もおかしくなる。
ただ、本を読まないと言うだけで済まされないのです。

私は、四十になったころ、一念発起して法律家になろうと勉強を始めました。
そのときに痛感したんです。
「日本語が読めない」ことに。
法律文書、解説書が「何を書いているのか」頭に入らないんです。
「読書百遍」と言いますから、耐えて読み続けましたよ。
するとね、自分がいかに文章を読めていないかが自覚されるんです。
「甲が乙に、屁を垂れた」みたいな文章ですわ。法律なんていうものは。
そして法律家も認める「悪文」が「条文」であったり、「判決文」だったりするんです。
試しに「会社法」の「会社合併」と「会社分割」のところを比較して読んでみてください。
これが一発でわかる人は、法曹向きかもしれません。
これは小泉改革で「商法」から分離され、議員立法で作られた文章なんですね。
かなりの悪文です。
それから「特許法」の「パリ条約」のあたり。
英文で書かれた条約と整合性を保つために、翻訳がただならぬことになっています。
これで争いが起こったら「解釈」で逃げ切るのだろうか?
日本国憲法の前文も格調高いですが、ところどころ悪文が見え隠れしています。

さて、「判決文」が読めないのは、私のせいだけではなく、書いた判事のせいでもあったのです。
そうすると特許明細書なんかも悪文の集まりみたいなもので、漏れを無くさんがために、長文になり、冗長になり、主語があいまいになり、意味不明になってくる。
「判決」の「主文」は「句読点を打たない」のが流儀らしく、一回読んだだけではわからんのです。

だからね、子供たちもね、世の中「良い文章」ばかりじゃないということを知っとこう。
「重箱の隅を楊枝でほじくる」ような人々が多いから、長々書いて「漏れなく」するために、わからない文章が出来上がる。
反対に、言いたいことが書けないひともたくさんいる。
べつに字を知らないわけじゃない(そういう人もいるだろうけど)。
頭で考えたこと、想ったことを文字で綴れない。
どう書いたらいいのかわからない。
「アンケートに、感じたことを書いてください」なんてあったって「特にありません」としか書けない。
ほんとは、あれもこれも書きたいことはあるのにね。

そんなときに「句読点」は大事なんだよ。
新聞には良い例がいっぱいあるから参考にすればいい。
最近の「判決主文」は、ちゃんと句読点を打つようになっているし、特許文書でも「請求項」はとくに、句読点を打たないと審査官から「読みづらいので、句読点をちゃんと打ちなさい」と指摘されるぐらいです。

やはり活字を読む訓練は必要なんだと思います。
ちゃんとした日本語が綴れて、さらに仲間同士の「符丁」も使いこなし、LINEで遊ぶのは良いと思います。
気の利いた「符丁」は文学の香りすら感じるものだから。
アマチュア無線家なら
QRT(閉局)→キューアールトンカチ
NY→ニューヨークを転じて「入浴」
めかけ→国道2号線
パンダ→パトカー
R→了解しました(・―・)Rogerの頭文字
K→どうぞ(-・-)Rの逆符号だからだと思う。
チャージ→ごはん
Aチャージ→お酒(アルコホール!)飲んだら乗るな。
GS→グループサウンズじゃないよ。ガソリンスタンドだよ。え?バッテリー?
CM→仕事
CMB→仕事場(コマーシャルベースという和製英語)
YL→(若い?)女性
X→奥様
WX→天候、天気(これは国際条約で決まってる略号)
VYFB→とってもすてき(VYはVery、FBはgoodのことらしい)
TNX→Thanks
UR→Your (「あなた」はU)
ORZ→にちゃんねる語、土下座している人に見えるよね「スマン」
GM→Good morning

LINEでも定型文のようなものを使ってワンキーで手短にやりとりしますが、電信でも昔から「ラバースタンプ」といってゴム印に例えられる定型文があります。
「早く短く打つ」という要請は、LINEもモールスも同じなんですね。

しかし、読解力は自分を守るためでもあるので、着ける必要があると思いますよ。
「読み書きそろばん」って言うじゃないですか。
こんなままで、英語なんかに手を出したら、目も当てられませんぜ。