「なおぼん、将棋しようで」
「またぁ。負けるくせに、懲りひんなぁ」
あたしは、あの日のあの場所にタイムスリップしていた。

従弟の浩ちゃんが先手、あたしが後手で指してあげる。
浩ちゃんは▲7六歩と角道を開けてきた。
あたしは△8四歩。やっぱり棒銀かな。
▲6八銀
△8五歩
▲7七銀
浩二は受けてきた。なら、こっちも角道を開けるか…角換わり(交換)は嫌いだし。
△3四歩
▲2六歩
△3二銀
▲7八金
△3三銀
▲6八飛
あれ?四間飛車?勉強してきたなぁ。
△7二銀
▲4八玉
△3一角
▲9八香
ん?なんやろ?
△8三銀
▲5八金
△8四銀
▲4九玉
△9五銀
強引に棒銀を企てるあたし。
▲4八玉
△8六歩
▲同歩
やっぱ、棒銀、失敗かと、思いきや。
△5四歩
▲4九玉
△8六銀
浩二が玉を囲っている間に、棒銀で突入だぁ。
▲4八金
△8七銀不成
成らずで銀のお尻を利かします。
▲7九角
逃がすか…
△8八歩
▲同金
△同銀成
▲同角
8八の攻防はここまで。
△3二金
▲3八金
△6四角
▲4八飛
あれ?四間飛車はやめかいな。
△4一玉
▲4六歩
△3一玉
▲1六歩
△5二金
▲1五歩
△4四歩
▲9六歩
△9四歩
▲5六歩
△4三金右
▲3六歩
△7四歩
▲2五歩
△7三桂
もはや、浩二の角も動けないようね。なら桂馬を跳ばそ。
▲4七飛
△6五桂
▲4八飛
△5七桂成
▲7八飛
△6七成桂
▲4八飛
△5七金
▲1七香
△4八金
▲同金
△6九飛
「うあ~」と、浩ちゃん、焦りを隠せません。
▲3八玉
△7七成桂
▲同角
浩ちゃん、必死の応戦です。
△8九飛寄成
▲9五歩
「そんな余裕あんの?」と、あたし。もう片付けましょう。
△9八龍
▲8八歩
△4六角
▲4九金
△2六桂
▲4八玉
△5七銀
▲5九玉
△8九龍
▲6九桂
△6八銀成
▲同角
△8八飛成
▲4六角
△4五香
▲9一角成
△4九香成
▲同玉
△6九龍
▲5九金
△5七桂
まで90手であたし(△)の勝ち。
「どうや?まだするか」
「もうええ」
ひぐらしが鳴いて、庭が陰になってきました。