ガウス先生とオイラー先生、ネイピア先生、そして私とで今日も雀卓を囲んでいる。
「ガウスせんせ、今日はブーまんでっせ」とネイピア先生が楽しそうに言う。
「望むところや」

「ブーまん」とは「ブー麻雀」のことでいわゆる「賭けマージャン」である。
関西独特のルールと言われ、あまりよその地域では聞かない。
大阪の雀荘の中では「ブー麻雀」を看板にしているところもよくある。

「キャベンディッシュの爺さんをへこましたんですって?」私はオイラー先生に訊いた。
「爺さん、ニュートンの代打ちで上家(かみちゃ)に入ったんやけど、少パイはするわ、現物でフリテンするわで、さんざんやった」
※ブー麻雀では「フリテン」でも現物以外ならあがれる。
「けど、なんやね。ケンブリッジのトリニティカレッジと阪大工学部で麻雀やったら、ぜったい阪大が勝つよね」私は、しれっと言うたった。
「んなことあるかい。チェスでは負けへんで」とネイピアせんせ。
「ネイピアせんせは、学校、出てはれへんのやろ?」
「数学に学歴はかんけいないの。中(ちゅん)、ポン」
「おっと、字牌のみ?」とガウス先生。
「ちゃうわ」
「小三元かなぁ」
わいわい言うております。

ブーまんは、お金を最初に「供託」する。
※Aトップ(独りトップ)
掛け金を勝ったもんが取る。
勝負は、原点(元の点棒:2千点)が倍になった者が勝ちで、役満をあがった者も自動的にAトップになる。
そして反対に一人が0点になったらそこでおしまい。
Aトップとは、3人を原点未満に沈没させることで、役満あがりでは自動的にAトップの権利を持てる。
Bトップとは、2人を原点未満の沈めること、Cトップは一人を原点未満に沈めることである。

1翻シバリがないとか、食いピンフがあったりとか、細かいルールはあるけれど、とにかく勝負が早い。
と、言っているうちに、ツモってきましたよ。
「たんやお、でんでん」
「しょーもな」
「あがってなんぼじゃ。オイラーせんせ」
「赤ウーピンは?」オイラーが訊く。
「ありやけど、何個あっても1翻な。そやな、ネイピアせんせ」私がネイピアに確認した。

台風一過、秋の夜長は、麻雀でっせ。
じゃら、じゃら、じゃら…