ポケベルのサービスを来年をめどに終えるというニュースがありました。
「まだそんなものが」という感想を持った人は多かったと思います。
ある世代には「ポケベル」に感慨深い思い出があるはずです。
携帯電話も普及していなかったある時期に、先端の通信機器だった。
「携帯できる」という意味で。
そしてどこにいても呼び出せる。
呼び出されたら近くの公衆電話(カード電話だったな)に走るんです。
すぐに、このガジェットは進化し始め、数字やかんたんなメッセージを文字で送れるようになる。
そして値段も下がり、飛びついたのは今も昔も女子高生だった。
ドラマ『ポケベルが鳴らなくて』は、そんな切ない女子高生の危なっかしい恋を描いてヒットしました。
私も社会人でしたが、観てましたね。
会社の寮に入っていたので、食堂でみんな集まるでしょう。
チャンネル権は先輩にあるわけで、私たち新人は一緒に観ながらごはんを食べるわけ。
『高校教師』とかもそこでみんなと観てた。
もちろん自分の部屋にも小さいテレビを持ってるんだけど、みんなで同じものを観るほうが楽しい。

あの頃の女子高生はすぐにポケベルの達人になり、略号を編み出し、数字コードでカナを素早く公衆電話のテンキーから打ち出すワザを身につけていた。
今もそれは変わらず、スマホの「かな打ち」の早いこと早いこと。
ケータイのテンキーだって、彼女たちはほぼブラインドタッチだったもの。

そういえばアマチュア無線のモールスは女子の方が上手だった。
早くて、きれいな信号は女子ならではの技術だった。
プロの無線局のオペレータにも、昔は、女性が活躍していたことと重なります。
ピアニストに女性が多いのも「キー(鍵盤)」を叩くということに向いていたからかもしれない。

女の子が機械に弱いと言うのは偏見で、機械に慣れて使いこなすのが早いのは女子のようです。
家庭用電化製品やパソコンなんか「母ちゃんのほうが詳しい」ってお家、多いんじゃないですか?
男の子は、機械のしくみや原理に夢中になり、やれ改造だ、壊れたから直すぞ、という方向に行っちゃう。

男と女の差がここにもあるんだなと思いました。
「男が作ったものを女が使いこなす」
こういう関係で社会は成り立っているのかもしれません。

さて、話題はポケベル(ポケットベル)でした。
最後までポケベルを使っていたのは主に病院だったそうです。
ポケベルを使った人は知っていると思いますが、受信しかできないんですよ。
ということは電波を発信しないから、医療機器の誤作動を惹き起こさないという利点があるのです。
これは重要な機能であり、そう簡単に闇に葬れるものではない。
むしろこういうポケベルのような簡素な機器を欲している現場があるはずです。
身近には、スーパーのイートインコーナーの「呼び出し器」がローカルポケベルというべきものです。

スマホでなんでもできる時代に、ポケベルという受信専門の機器が隙間を埋める活躍をするのです。
「ちょっと呼び出したい」
そんな思いにこたえるポケベルは、良い発明だと思いますよ。