本人確認のための古い方法は「合言葉」でしたね。
「山」と言えば「川」というような。
外国では「Open sesame(開けゴマ)」なんてのもありましたっけ。
「山」「川」の合言葉は「山と言えば川と言う」つまり「常に反対のことを言うアマノジャクな人」を指しています。
忠臣蔵のお芝居で使われたから広く流布した合言葉ですけれど元は伊賀だか甲賀だか知らないけれど忍者たちが使ったと言われています。
「開けゴマ」は千夜一夜物語ですね。
盗賊アリババの仲間たちが使っていた合言葉です。
アラビア語では「イフタフ・ヤー・シムシム」と言うようです。
「イフタフ」が「開け」、「ヤー」は掛け声らしく、「シムシム」が「ゴマ」です。
ごま油の「かどや」さんのHPに説明がありました。
http://www.kadoya.com/enjoy/column/column04/tabid/115/Default.aspx

ただ「千夜一夜物語」には「アリババと四十人の盗賊」および「アラジンの魔法のランプ」のお話は入っていなかったそうですよ。
後の人が付け加えたんだって。

では、今の本人確認は「パスワード」とか「指紋認証」、「虹彩認証」、「音声認証」などですね。
じゃあこんなのはどうでしょう?
【発明の名称】
人が有するコミュニケーションの特徴を利用する本人確認の方法
【要約】
本人確認の方法として、人がそれぞれ有するコミュニケーションの特徴を利用するもので、本方法を利用した問いかけに答えることにより、人工知能が本人確認もしくは人の選別を行う。
【請求項1】
本人確認の方法として、人がそれぞれ有するコミュニケーションの特徴を利用するための出題と回答の分析を行う人工知能プログラム
【請求項2】
請求項1の結果をもとに本人確認をし、もしくは任意のスペクトラムを有する人の選別を行い、施錠および開錠など適切な処置を行う装置と連動する人工知能プログラム
【請求項3】
建物若しくは設備の入り口や乗り物のドアの施錠機構と連携し、入場若しくは入室の許可を与える請求項1および請求項2の装置
【請求項3】
物品および金銭の出納、通信回線や電子商取引などのサービスの享受の許可を与える請求項1および請求項2のシステム
【発明の詳細な説明】
近年、本人確認の重要性は増すばかりで、電子商取引においては本人確認なしには取引の安全を確保しえない。
その場合、従来の英数字および記号の組合せによるパスワードが主に使われるが、本人が忘却することもしばしばであり、却って使いづらいものになっている。
そこで本人の記憶に頼らない確認の仕方が研究され、指紋認証や虹彩認証、音声認証などが実用化されるようになった。しかしながら、これも装置的に高級になり、コストアップにつながることになるので、普及には時間がかかるようである。
そこで発明者らは鋭意検討した結果、人のコミュニケーション能力に着目し、いわゆる「合言葉」をより発展させた判断基準を人工知能プログラムに策定させる方法を考案した。
古来より、人は言葉を発してその受け答えを聞くことで、相手を見極めていることがわかっている。
これをコミュニケーションととらえ、そこに個人特有のスペクトラムを見出し、本人確認に利用することを特徴とする。
具体的には、よく大阪の人は「ノリツッコミ」というこの地方独特のコミュニケーション能力を発揮する。
「ノリツッコミ」は大阪人にとっては老若男女を問わず発揮する能力であるらしく、大阪人を判別する好適な基準たり得る。
発明者はまず大阪出身の人の認証確認プログラムを組立て、自動ドアに組み込んだ。
タッチパネル画面に設問が現れ、スピーカーからも音声で発問される。
ドアの中に入りたい人はその問いにリアクションをする、つまり「ツッコミ」を入れなければならない。
「ツッコミ」があるレベルに達しているかどうかを人工知能が判断し、「及第」するとドアが開き、人が中に入れるという仕掛けになっている。
「ツッコミ」というリアクションがあるレベルに及ばないと人工知能が判断すれば「おもろない、帰れ」と告げ、退去を命じることになる。
このレベルは任意に難易を変更することが可能である。
たいていの大阪人は及第するものだが、東北出身者などが挑戦すると追い返されてしまうことになる。
まれに大阪人でも「すべる」ことがあり、及第しないことがあるので、再挑戦を可能にする「すまん、もう一回」ボタンを用意することもできる。
人工知能側もいろんなリアクションを用意できるので、非常に多彩なコミュニケーション能力を発揮し、ウェットな接客を期待できる。
たとえば、人工知能側が「なぞかけ」で発問することも可能で、かなり高度な人選になるだろう。

【実施例1】
人工知能(以下AI君)「つまらないものとかけて」
客「上りのエスカレーターとときます」
AI君「その心は」
客「くだらない」
AI君「グッジョブ!」

【実施例2】
AI君「また来たんか」
客「毎日新聞ですから」
AI君「どうぞ~」

【実施例3】
AI君「あんた男とちゃうか?」
客「あ、お化粧わすれた」
AI君「顔変えて、出直して来い」
客「なんでやねん」
AI君「ほな、顔描いて、出直して来い」
客「マンガやないで」
AI君「ひょっとこみたいな顔してから」
客「ほっといてんか」
どこまでも続く…場合もある。

以下略

【発明者】横山尚子
【出願人】同上
【代理人】便利士 本田原権太郎