またしても墫野和夫氏である。
とんでも特許出願で有名な方である。
ご本人は真面目なのが笑えてしまう。
彼の出願明細書は難解な文で、あたしには理解不能だ。
今回ご紹介するのは「特許公開公報2016-106294号」です。

【発明の名称】国の全額借金返済と都道府県市町村区の全額借金返済の為の知的所有財産のもし石炭石油天然ガス水素が無くなった場合の世界像と対処の有り方対処の為の全自動ロボット家電システム装置の著作権原本。

もう、何が何やらさっぱりわかりましぇん!

図面が驚くべきことに手書きで200枚も添付されています。
審査官泣かせの大著ですね。

その手書き図面の乱雑で意味不明なことこの上ない。

まずはとにかく「要約」を引いてみましょう。

【要約】      (修正有)
【課題】永久機関に対して、電気連続増幅発電機関の更なる発展と全自動ロボット家電の更なる発展。
【解決手段】全自動ロボット家電のロボットタイムトラフイックマシンコンピューター全自動音声認識とジェスチャーカメラ認識と指絵文字ジェスチャー認識と非常事態緊急救護連絡家電装置の全自動インプット型の人の全自動音声認識とジェスチャーカメラ認識と指絵文字ジェスチャー認識と非常事態緊急救護連絡家電装置のデータ記録再認識及び再チェック型及び介護センター連絡確認型のロボット知能学習型タイムトラフイックマシンコンピューター全自動ロボット家電装置に成る。

「(修正有)」というのが、どこをどう直したのか知りたいところですが、まあいいでしょう。
「永久機関に対して・・・更なる発展」と来ました。
特許発明においての禁句「永久機関」だそうです。

どうも家庭でつかえる「ロボット」のようです。
動力は「連続増幅発電」によって永久的に働いてくれるそうな。
なんだ?この発電は?

先を急ぎましょう。

そのロボットは当然コンピューターが内蔵され、そのコンピューターによる「音声認識」と「ジェスチャー認識」、「タッチパネルでの絵文字認識」が可能で、おそらくですよ、人がロボットに向かってしゃべったり、手や体を使った動作や指でパネルに書くことでロボットが認識するんだと思います。
違ったらごめん。

このロボットの主な仕事は「緊急時対応」のようです。
たのもしい!
地震などの災害のときに、他の家電の復旧とかデータ修復とか、まあそのIoTですか?やっちゃってくれちゃって、おまけに介護施設への連絡までもしてくださる。
そしてロボットはいま流行りのAIで自動学習し、使えば使うほど賢くなって、天下無敵の国士無双のセキュリティパートナーとしてわたしたちを守ってくれるんです。

発明の名称に「国の全額借金返済と都道府県市町村区の全額借金返済の為」という一見意味不明の枕詞がついているのは、こういった「カネのかかる行為」をみ~んなこのロボット氏が引き受けてくれるから、国や自治体はインフラの整備は敢えてせずとも、従来のインフラにまかせてほっとけばいいということらしい。
それよりもこの動力たる「電気連続増幅発電機関」が日本を、いや世界を救うのです。
もうエネルギー枯渇に悩まんでいい。

さらにさらに「もし石炭石油天然ガス水素が無くなった場合の世界像」という究極の未来像にも対応すべく、発明者はこのロボットを用意したのです。
あっぱれ!

あたしには、とてもまねできない仕上がりです。

もっと知りたい方は膨大な「詳細な説明」を読んでいただくとして、その中で墫野氏が強く訴えているのが、国を始め世間一般が「永久機関」を信じないということです。
現行の燃料電池とかはカネばかりかかって、まったく利用価値のないクズ発明なんだそうです。
延々と日本のエネルギー供給会社がこき下ろされる「詳細な説明」を読んでください。
彼らは間違っているのです。

そして続いて、国家の無駄な事業の、これでもかという羅列。
いったい、本発明になんの関係があるのか、発明者のみぞ知るということでしょう。

読んで頭痛を覚えたあたしやあなたは、凡人なのです。

ここまで頭を酷使して悩みに悩んで発明をしたことがありますか?
ありますまい。

ご興味のある方は、特許情報プラットフォーム「J-Plat Pat」で彼の名前で検索してみてください。