こういう問題があり、川端先生がとてもエレガントに解いておられましたので紹介します。
△ABCは二等辺三角形です(AB=AC)。
その頂点たる∠BACの角度χを求めるのですが、この二等辺三角形の中に図のような等辺が設定されていますのでこれだけを手掛かりにχを求めろというのです。
三角形の内対角の定理を使います。
△ABCがあり、辺ABと平行な線分CDを引き、また辺BCの延長をEとします。
AB//DCのとき、∠ACE=∠ABC+∠BACとなるのが内対角の定理です。
証明は上の図を見れば明らかですね。(ユークリッド原論巻1-28参照)
この定理を問題図に適用すると、以下のようになるはずです。
△ADEの内対角が∠EDF=2χ
△AEFの内対角が∠BEF=3χ
△ABFの内対角が∠BFC=4χ
△ABCが二等辺三角形であるから、
∠ABC=∠ACB=4χ
∠ABF=4χ-3χ=χ
すると、
4χ×2+χ=180だから、
9χ=180
χ=20(度)
もう一つは、鈴木貫太郎先生のお題です。
∠BACが45°、AD⊥BCでその垂線の足をDとする。Dは辺BCを3:2に分けている。
この△ABCの面積を問う問題です。
これは底辺をBCとして高さをADとすれば、三角関数を用いて解けそうな感じがします。実際に鈴木先生も余弦定理を使ったり、コメントのみなさんもタンジェントの加法定理などを使って解いておられますが、鈴木先生が最後に到達された解法がとてもエレガントでしたので、解説いたします。
キャドで解説図を描くのが大変でしたが、なんとか作図しました。
※三角形の底辺に直交する線分が底辺を分割する長さの比は、その三角形の頂角も同じ比で分割することと、正方形の一辺を半径とする円の交点をAの対角点Fとして作図しました。
△ADBを辺ABを対象軸に折り返します。同様に△ADCも辺ACを対象軸に折り返します。
新たにできた△AEBは△ADBと合同で、△AGCは△ADCと合同ですね。
さらに∠EAGは直角です。
またAD=AE=AGです。
すると正方形AEFGができます。この正方形の一辺が△ABCの高さです。
△BCFに注目すると、斜辺が5の直角三角形になっていますから、辺BF=3、辺FC=4というピタゴラス三角形になっているはずです。
△ABCの高さが6であるとたちどころに求まりました。すばらしい!
ゆえに△ABCの面積は、5×6÷2=15(単位不定)となりました。
三角関数や√を使わずにエレガントに解くことができています。
私はこの2題の問題をつくられた人を尊敬しますし、これをYoutubeで解説してくださった、川端、鈴木両先生に感謝いたします。
単なる入試問題にしておくのにはもったいない。
鑑賞に値する幾何学問題だと思います。
△ABCは二等辺三角形です(AB=AC)。
その頂点たる∠BACの角度χを求めるのですが、この二等辺三角形の中に図のような等辺が設定されていますのでこれだけを手掛かりにχを求めろというのです。
三角形の内対角の定理を使います。
△ABCがあり、辺ABと平行な線分CDを引き、また辺BCの延長をEとします。
AB//DCのとき、∠ACE=∠ABC+∠BACとなるのが内対角の定理です。
証明は上の図を見れば明らかですね。(ユークリッド原論巻1-28参照)
この定理を問題図に適用すると、以下のようになるはずです。
△ADEの内対角が∠EDF=2χ
△AEFの内対角が∠BEF=3χ
△ABFの内対角が∠BFC=4χ
△ABCが二等辺三角形であるから、
∠ABC=∠ACB=4χ
∠ABF=4χ-3χ=χ
すると、
4χ×2+χ=180だから、
9χ=180
χ=20(度)
もう一つは、鈴木貫太郎先生のお題です。
∠BACが45°、AD⊥BCでその垂線の足をDとする。Dは辺BCを3:2に分けている。
この△ABCの面積を問う問題です。
これは底辺をBCとして高さをADとすれば、三角関数を用いて解けそうな感じがします。実際に鈴木先生も余弦定理を使ったり、コメントのみなさんもタンジェントの加法定理などを使って解いておられますが、鈴木先生が最後に到達された解法がとてもエレガントでしたので、解説いたします。
キャドで解説図を描くのが大変でしたが、なんとか作図しました。
※三角形の底辺に直交する線分が底辺を分割する長さの比は、その三角形の頂角も同じ比で分割することと、正方形の一辺を半径とする円の交点をAの対角点Fとして作図しました。
△ADBを辺ABを対象軸に折り返します。同様に△ADCも辺ACを対象軸に折り返します。
新たにできた△AEBは△ADBと合同で、△AGCは△ADCと合同ですね。
さらに∠EAGは直角です。
またAD=AE=AGです。
すると正方形AEFGができます。この正方形の一辺が△ABCの高さです。
△BCFに注目すると、斜辺が5の直角三角形になっていますから、辺BF=3、辺FC=4というピタゴラス三角形になっているはずです。
△ABCの高さが6であるとたちどころに求まりました。すばらしい!
ゆえに△ABCの面積は、5×6÷2=15(単位不定)となりました。
三角関数や√を使わずにエレガントに解くことができています。
私はこの2題の問題をつくられた人を尊敬しますし、これをYoutubeで解説してくださった、川端、鈴木両先生に感謝いたします。
単なる入試問題にしておくのにはもったいない。
鑑賞に値する幾何学問題だと思います。