"stepmom"とか"stepmother"という単語がAmerican pornographyによく出てくる。
わかります?
「継母(ままはは)」のことらしい。
血がつながっていないから「許される?」近親相姦ってわけね。

こういうのは"mature(熟女)"ものを検索するとよくヒットする。

私が、家でできる仕事として英文論文を訳してるんだけど、その中に"mature"があったんでびっくりした。
たとえば、
Recently, cartilage regeneration with mature chondrocytes and stem cells has been developed and applied in clinical settings.
(最近、成熟した軟骨細胞と幹細胞による軟骨再生が臨床で実施され、応用された)
この論文は、近畿大学医学部の再生医療に関するもので、私たちが携わっているプロジェクトのものでもある。
「熟女」ではなく「成熟した」という形容詞として使われている。
"chondrocytes"と言う見慣れない単語は「軟骨細胞」であるが、一方で"cartilage"は「軟骨」だからややこしい。
"stem cells"は有名な「幹細胞」だ。
"regeneration"は、まさに「再生」である。
"in clinical settings"は、「臨床において」とでも訳すべきか?よく、「医院」を「クリニック」なんてしゃれた名前にしているところがあるが、"clinical"は同類の言葉だ。

こういった仕事に"weblio翻訳"はけっこう使える。
専門用語もかなり対応していて、専門外の私も重宝する。
たとえば、"in vivo"や"ex vivo","et al"などのラテン語の略語だ。
生物系科学論文では頻出の単語である。
それぞれ「生体内で」、「生体外で」、「他数名」と言う意味で、文中では斜体(イタリック)で書くことが習わしになっている。
たとえば、こんな文章がある。
In addition to the cell culture and expansion methods, stem cell-directed cartilage regeneration techniques have been developed [Augustyniak et al., 2015].
(細胞培養と増殖方法に加えて、幹細胞から誘導される軟骨再生技術が開発された)
この[ ]内が先例なのだが、Augustyniakという研究者と他数名が2015年に上記開発を行ったという引用を明示している。

ほかに"in vitro"(「試験管内で」もしくは「容器内で」)、"in silico"(コンピュータ・シミュレーション下で)なんてのもある。
oral presentation(口頭発表)では「ビトロ」とか「ビボ」なんて言っている研究者も多い。

少し長いが、私の仕事から引用する。
It is also well known that chondrocytes isolated from cartilage tissue dedifferentiate rapidly in culture, and there is a risk associated with the technique such as microbial contamination due to the ex vivo nature of the procedure.
(軟骨組織片から分離された軟骨細胞が育成過程において、速やかな脱分化を認めることもまた、よく知られている。そして、テクニック(実験操作において生体外の自然環境からの微生物汚染)に関連した危険をともなう)
※「脱分化(dedifferentiate)」とは細胞分裂した細胞が分裂前の細胞の形になり、新たな組織になる準備が整うこと。

"isolated"は「分離された」とか「単離された」程度の意味。
"tissue"は「ティッシュペーパー」でおなじみの言葉で「薄片」の意味であるが、ここでは「組織片」の意味で使っている。
"culture"はこの場合「教養」ではなく「育成過程」とでも訳しましょうか?
"contamination"は、生物学者や化学者なら「コンタミ」とよく使う言葉です。「汚染」ですね。

まあ、こんなところです。
学術論文は、だいたい文型が一定で、婉曲表現がないから訳しやすいのです。
またこの論文は、日本の先生がお書きになったので、わりとわかりやすい表現でした。
お書きになった先生には、何度かお会いして、学会にも参加させていただいておりますし、この論文の内容も予め伺っていますので楽な仕事ではありました。