角速度ωは、等速円運動を例に説明すれば、回転軸に半径rのひもと重さmの球を結んで回転軸の周りに回転させることを想像してほしい。
球は遠心力と向心力のつり合いで、ひもが直線に張られているだろう。

きれいな円を描いて、球は等速で回転しているはずだ。
ある時点で球とひもを切り離すと、球は半径rの円周の接線方向に等速直線運動で飛び出すだろう。


等速円運動をしている球について議論を進める。

この円周の上の運動の速度を「角速度」という。
今の場合は等速なので、速度vは一定だということだ。
角速度の単位は時間の逆数で表される。
直線運動と単位が異なるのである。

つまり物体(球)の速度を半径rで割ったものが角速度ωである。

ベクトルでこの様子を考えると、半径は位置ベクトル、球の接線方向の速度ベクトル、とすればその角速度ベクトルω×で表される。

これが外積というベクトル演算である。
ちなみになら内積で、この解はスカラーとなる。
しかし、外積の演算結果はベクトルである。

座標でみると、は回転軸に直交する円の平面に乗っかっているが、それらの外積である角速度ωは回転軸上にあり、その向きはに対して垂直方向である。
この向きは右手系(回転面が反時計回り)で表すことが約束されている。
反時計回りの円運動を正、時計回りの円運動を負で表すという約束である。

物理学で、私は外積でとまどったものだ。
角速度や磁力線の講義でやっとこさ、外積を自分なりに概念出来るようになった。
数学で習ったときにはさっぱりわからなかったからだ。

私は少しアルコールが入った方が、頭が回るので、数学の話のときは飲みながらやることがおおい。
「長官」もそうらしい。
彼は、かつて鉱山技師だったから、物理には詳しいのだった。
灯台守の「なおぼんR」には格好のパートナーだった。