世の中はハロウィーンでバカ騒ぎ。
私は、風邪で寝込んでる。

さいわい、回復に向かっているけれど咳が残った。
ドラッグストアで、ちっちゃな薬剤師さんに勧められた咳止めは、よく効いた。

ところがやけに眠気が来る。
彼もそう言っていたっけ…

風邪ひき前に活けた菊は、花材がよかったので、今も美しい。
2018.Oct活花
脇を固めているのはリンドウとキイチゴの葉だ。
(下駄箱のほこりが目立つな…)

ラジコでFMを聴きながら、コーヒーをたてる。
鼻詰まりでは、モカブレンドの香りも、インスタントも変わりはしない。
頭がカフェインを欲するのだ。
そしてこれをアテにする。
ビッグサンダー
デイリーヤマザキの駄菓子コーナーでみっけたヤツ。
100円もしない。
大きさに目がくらんで、大きい方を買った。
甘いだけの、すきっ腹にはガツンとくる、名に恥じない銘菓(?)だ。
「俺にはでっかい夢がある」のコピーがすさまじい。
これを子供らは、お小遣いを使って買うのか…

小川珈琲のモカブレンドと合います。
虎舞竜の『ロード』がラジコから流れてきた。
高橋ジョージが、ある人の実話をもとに、したためた詞らしいと、バブルが弾けたころに聞いたことがあった。
私は無謀にもローンを組んでマンションを買ったばかりの頃だった。
そのマンションで一人暮らしを始め、こんなふうに一人でペーパードリップでコーヒーを淹れて悦に入っていたのだった。
有線放送が各戸に付いているマンションで、定額で自由に放送が聞けた。
そして『ロード』がその頃、よくかかっていたのだった。
「あの頃に戻ってみたいな」
そう、あの頃は、父母もみんなまだ生きていた。
冗談ばかり言う父、本好きな母、でもそこから飛び出した私。
何が不満というわけでもなかった。
勤め先が実家から遠かったのもあり、通うのはつらかったのが主な理由だった。
すこし、会社の寮に入り、でも私が女だから会社は男と同じ寮で過ごさせるのは良くないと、ことあるごとに「どこかアパートを探そうか」と持ち掛けてきたのだった。
バブリーな時代だったので、会社の近くに新築される大型マンションの情報を得て、私は「買う」ことに決めた。
女が不動産を買うのである。
まったくもって金の価値を知らないバカ娘が、不動産屋の言いなりに、車を買った時に登録した実印を押した。
当時、2700万円の買い物だった。
でも満足だった。
約十年後に売らねばならないことになるのだが…

気が付けば『ロード』は終わっていた。
ブラックサンダーを食いつくして、冷めたコーヒーで流し込む。
今年20歳の猫の「みすず」が「おやつをくれんかな」と鳴いてくる。

なんでもない事が幸せだったと思う…