ネパールの女子高生に勉強を教えている
今日は、化学を教えてほしいときた
やっとあたしの専門が発揮できる
なになに、酸と塩基か…
彼女は硫酸がどうして[H⁺]が2モル出てくるのかがわからんという
H₂SO₄+2NaOH→Na₂SO₄+2H₂O
この中和反応の式である
そもそも硫酸イオン[SO₄²⁻]がなぜ2⁻なのか?
そして硫酸が塩酸より強い酸であるという疑問

こう書いて説明すると、すこしわかったようだ
硫酸は水溶液にすると完全にイオンに別れて(電離という)[H⁺]を溶液の中へ放出する
それも1モルの硫酸から2モルもである
塩酸が[H⁺]を1モルしか放たなかったのに
そこに気づけばこの学習は十分なのだ
教科書には、酸は水素イオン[H⁺]を多く放つものほど強いと表現しているから、実際その通りである
もっとも、この表現が誤解を招くのだが、おおむね合っている
たとえば、有機酸のクエン酸はその分子構造から3モルの水素イオン[H⁺]を放てるが、同時にではない
有機酸は無機の塩酸や硫酸のように強烈に電離しない。だから弱酸と呼ばれる。
ポリカルボン酸(一つの分子に複数のカルボン酸がついたもの)は第一解離定数、第二解離定数というように水素イオンを離しやすさ(電離させる力)の程度が水溶液の中で異なるのである
そこまで問われていないから、一般的に水素イオンの放ちやすさで酸の強度を計り、それがpH、その名も「水素イオン濃度」というのである
話は㏗に自然に移っていけた
「酸と塩基」の話とセットで㏗は語られるからだ
彼女は中和滴定の実験は学校でやったという
私は仕事で中和滴定をしてきた
塩酸標準液(濃度標定するにも中和滴定を使う)
単位mol/Lとそれから派生する規定度(ノルマル)、グラム当量など大学受験なら問われる可能性があるのだが、mol/Lと重量%濃度、容量%濃度がわかればよしとした
酸と塩基が水溶液の中で出会うと瞬時に塩ができる。これを中和反応と言う
これは暗記してしまうほど、私にとっては当たり前のことだった
そして酸化と還元は必ず同時に起こるということも
酸化されるには必ず還元される物質が必要だからである
その逆もまた正しい
こうやって人類は理屈を知らないのに、銅や鉄の精錬をやって青銅器や鉄器を作ってきたではないか
酸素が発見されるまでの長きにわたって、還元の謎を解こうとしてきた
純鉄を得る、純銅を得るこれが還元だったのに、その裏側で酸化が起こっていたことを見破れなかった
ただ、錬金術師は純銅や純亜鉛などの金属を加熱すると重くなるということだけ経験から知っていた
まさか酸素がくっついて重くなっていたとは思いもしなかった
スウェーデンのシェーレ、イギリスのプリーストリー、フランスのラボワジェたちが同時期にほぼ同じ結論に至った。空気中のものを燃やす物質「脱フロギストン(燃素)空気」なるものを見つけようとしていたのである
彼女にはそんな話はしなかったけれど、あたしが化学を勉強しようとしたのは、物質に興味がもともとあったのだと思う
プラモデルをつくっていた時、漫画の模型工作入門という本をぼろぼろになるまで読んでいたことは影響を受けていただろうし、そこにはプラモの原料である熱可塑性樹脂そして接着剤の熱硬化性樹脂が漫画でわかりやすく説明されていたのだった。プラスチックがどんなものかなんて小学校高学年のあたしにはわかりっこないのだが、なにか惹かれるものがあった
何の変哲もない学習漫画があたしの好奇心を育てたのだろう
今日は、化学を教えてほしいときた
やっとあたしの専門が発揮できる
なになに、酸と塩基か…
彼女は硫酸がどうして[H⁺]が2モル出てくるのかがわからんという
H₂SO₄+2NaOH→Na₂SO₄+2H₂O
この中和反応の式である
そもそも硫酸イオン[SO₄²⁻]がなぜ2⁻なのか?
そして硫酸が塩酸より強い酸であるという疑問
こう書いて説明すると、すこしわかったようだ
硫酸は水溶液にすると完全にイオンに別れて(電離という)[H⁺]を溶液の中へ放出する
それも1モルの硫酸から2モルもである
塩酸が[H⁺]を1モルしか放たなかったのに
そこに気づけばこの学習は十分なのだ
教科書には、酸は水素イオン[H⁺]を多く放つものほど強いと表現しているから、実際その通りである
もっとも、この表現が誤解を招くのだが、おおむね合っている
たとえば、有機酸のクエン酸はその分子構造から3モルの水素イオン[H⁺]を放てるが、同時にではない
有機酸は無機の塩酸や硫酸のように強烈に電離しない。だから弱酸と呼ばれる。
ポリカルボン酸(一つの分子に複数のカルボン酸がついたもの)は第一解離定数、第二解離定数というように水素イオンを離しやすさ(電離させる力)の程度が水溶液の中で異なるのである
そこまで問われていないから、一般的に水素イオンの放ちやすさで酸の強度を計り、それがpH、その名も「水素イオン濃度」というのである
話は㏗に自然に移っていけた
「酸と塩基」の話とセットで㏗は語られるからだ
彼女は中和滴定の実験は学校でやったという
私は仕事で中和滴定をしてきた
塩酸標準液(濃度標定するにも中和滴定を使う)
単位mol/Lとそれから派生する規定度(ノルマル)、グラム当量など大学受験なら問われる可能性があるのだが、mol/Lと重量%濃度、容量%濃度がわかればよしとした
酸と塩基が水溶液の中で出会うと瞬時に塩ができる。これを中和反応と言う
これは暗記してしまうほど、私にとっては当たり前のことだった
そして酸化と還元は必ず同時に起こるということも
酸化されるには必ず還元される物質が必要だからである
その逆もまた正しい
こうやって人類は理屈を知らないのに、銅や鉄の精錬をやって青銅器や鉄器を作ってきたではないか
酸素が発見されるまでの長きにわたって、還元の謎を解こうとしてきた
純鉄を得る、純銅を得るこれが還元だったのに、その裏側で酸化が起こっていたことを見破れなかった
ただ、錬金術師は純銅や純亜鉛などの金属を加熱すると重くなるということだけ経験から知っていた
まさか酸素がくっついて重くなっていたとは思いもしなかった
スウェーデンのシェーレ、イギリスのプリーストリー、フランスのラボワジェたちが同時期にほぼ同じ結論に至った。空気中のものを燃やす物質「脱フロギストン(燃素)空気」なるものを見つけようとしていたのである
彼女にはそんな話はしなかったけれど、あたしが化学を勉強しようとしたのは、物質に興味がもともとあったのだと思う
プラモデルをつくっていた時、漫画の模型工作入門という本をぼろぼろになるまで読んでいたことは影響を受けていただろうし、そこにはプラモの原料である熱可塑性樹脂そして接着剤の熱硬化性樹脂が漫画でわかりやすく説明されていたのだった。プラスチックがどんなものかなんて小学校高学年のあたしにはわかりっこないのだが、なにか惹かれるものがあった
何の変哲もない学習漫画があたしの好奇心を育てたのだろう